ホンダ スーパーカブ110は、その普遍的なデザインと驚異的な耐久性だけでなく、「自分だけの一台」に仕上げるカスタムの自由度の高さも魅力です。
現行モデルのJA59、そして人気モデルのJA44をはじめ、歴代のカブオーナーの皆さんが抱える「もっとこうしたい」「このパーツをつけたいけど、合うのかな?」といった疑問や不安を、この記事で全て解消します。
単にパーツを付けるだけではありません。スタイルを追求し、実用性を高め、そして何よりも安全かつ法的に正しいカスタムを楽しむための、専門的で情熱的なアドバイスをたっぷりお届けします。さあ、あなたのスーパーカブ110を唯一無二の相棒にするカスタムの旅を始めましょう!
カブ110カスタムの第一歩:人気の方向性
スーパーカブ110のカスタムの素晴らしい点は、その**「素性の良さ」**から、どんな方向性にも柔軟に対応できることです。まずは、ご自身の用途や目指すイメージを明確にすることで、最適なパーツ選びが始まります。
クラシック、ストリート、アドベンチャーなど人気スタイル紹介
カスタムの方向性は、大きく分けて以下の3つのスタイルが人気を集めています。あなたのカブが目指す方向性を決めてみましょう。
1. クラシック・レトロスタイル
カブ本来のレトロな雰囲気を最大限に引き出すカスタムです。
- キーワード: 伝統、レトロ、ノスタルジー。
- カスタム例: ベトナムキャリア、丸型ミラー、社外品のスーパー カブ 110 クラシカル ホワイトなどのレトロカラーシート、樽型グリップ。
- ベース車両: JA44やそれ以前のモデルは、このスタイルに自然に馴染みます。JA59も、丸目ライトは共通しているため、パーツの選び方次第でクラシカルに仕上がります。特にスーパー カブ 110 チョッパーのような大胆なカスタムも、カブの愛らしいフォルムをベースにすると意外なほどファッショナブルにまとまります。
2. ストリート・スポーティスタイル
都市部での軽快な走行や、洗練された現代的なルックスを追求するスタイルです。
- キーワード: 軽量化、スポーティ、モノトーン。
- カスタム例: 軽量なアップマフラー(チタン製など)、ショートバイザー、ローダウンサス、ブラックパーツへの統一。
- ベース車両: 現行のJA59は、キャストホイールやディスクブレーキ採用など、元々スポーティな要素が強いため、このカスタムとの相性が抜群です。
3. アドベンチャー・キャンプスタイル
カブの真骨頂である積載性とタフさを強化し、キャンプや長距離ツーリングでの実用性を高めるスタイルです。
- キーワード: 積載、耐久性、利便性、キャンプ。
- カスタム例: 大容量リアボックス、フロントキャリア、サイドバッグサポート、ナックルガード、USB電源の装備。
- ベース車両: どの型式でも可能ですが、荷物の積載を前提とするため、耐久性の高い専用キャリア選びが重要になります。
初心者におすすめの「これだけは外せない」カスタムパーツ
カスタム初心者の方には、取り付けが比較的簡単で、効果をすぐに実感できるパーツから始めることをおすすめします。
- リアボックス(積載性向上):
- カブは元々リアキャリアが頑丈ですが、ボックスを装着することで雨の日でも荷物を気にせず運べます。通勤・通学・レジャー全てにおいて利便性が劇的に向上します。
- カブは元々リアキャリアが頑丈ですが、ボックスを装着することで雨の日でも荷物を気にせず運べます。通勤・通学・レジャー全てにおいて利便性が劇的に向上します。
- USB電源/スマホホルダー(利便性向上):
- 現代のバイクライフに欠かせません。ナビゲーションや充電を可能にし、スーパー カブ 110 usb 電源は必須アイテムです。
- 現代のバイクライフに欠かせません。ナビゲーションや充電を可能にし、スーパー カブ 110 usb 電源は必須アイテムです。
- ミラー交換(視界とルックス改善):
- 純正ミラーから、スクエアやバーエンドなどのデザイン性の高いミラーに変えるだけで、全体の印象が大きく変わります。安全性を確保しつつ、個性を出せるカスタムです。
※2018年〜21年のスーパーカブ50/110(AA09型/JA44型)はミラー本体のネジ径は左右とも8mm逆ネジです、それ以前の形式は10mm、サイズが合わないミラーも別途変換アダプターを使用で装着可能
- 純正ミラーから、スクエアやバーエンドなどのデザイン性の高いミラーに変えるだけで、全体の印象が大きく変わります。安全性を確保しつつ、個性を出せるカスタムです。
走りとサウンドを変えるエンジン・足回り系カスタム
カブのカスタムで最もオーナーの満足度が高いのが、マフラー交換とパワー アップに直結するギア 比調整です。ただし、この分野のカスタムは型式適合と法規制のチェックが特に重要になります。
マフラー交換で変わる音とパワー
スーパー カブ 110 マフラー交換は、カスタムの王道です。心地よいサウンドはライディングの楽しさを倍増させ、軽量化と排気効率の改善は、実際のパワー アップにも繋がります。
おすすめマフラーブランドと選び方
- モリワキ (MORIWAKI):
- スーパー カブ 110 モリワキ マフラーは、特にスポーティさと高品質な仕上がりを求めるオーナーに人気です。全回転域でのトルクアップと、ジェントルながらも存在感のあるサウンドが特徴。
- 適合注意: JA44用とJA59用は設計が大きく異なるため、必ず型式専用品を選んでください。
- スーパー カブ 110 モリワキ マフラーは、特にスポーティさと高品質な仕上がりを求めるオーナーに人気です。全回転域でのトルクアップと、ジェントルながらも存在感のあるサウンドが特徴。
- ヨシムラ (YOSHIMURA):
- 「サイクロン」マフラーは、そのブランド力と優れた排気効率で知られています。高回転域の伸びに優れ、スーパー カブ 110 パワー アップを体感できます。
- 「サイクロン」マフラーは、そのブランド力と優れた排気効率で知られています。高回転域の伸びに優れ、スーパー カブ 110 パワー アップを体感できます。
- SP武川 / キタコ (TAKEGAWA / KITACO):
- カブのカスタムパーツを豊富に手がける老舗ブランドです。性能だけでなく、クロスカブ風のアップマフラーなど、デザイン面でも選択肢が豊富です。
- カブのカスタムパーツを豊富に手がける老舗ブランドです。性能だけでなく、クロスカブ風のアップマフラーなど、デザイン面でも選択肢が豊富です。
法規制に関する最重要注意点
マフラー交換を行う際は、必ず**政府認証マフラー(JMCA認証)**を選んでください。
- JMCA認証: 国の定める騒音・排ガス規制基準をクリアし、車検のない原付二種でも安心して公道走行ができることを証明するものです。
- 非認証マフラー: JMCA認証のないマフラーを装着して公道を走行すると、騒音規制違反や整備不良で取り締まりの対象となる可能性があります。カブ愛好家として、周囲に配慮したカスタムを心がけましょう。
ギア比・スプロケット交換による加速/最高速調整
スーパー カブ 110 ギア 比を調整するスプロケット交換は、比較的安価で、走行特性を大きく変えることができるカスタムです。
- フロントスプロケット:
- 丁数を増やす(大きくする):最高速重視。加速は鈍くなりますが、巡航時のエンジン回転数が下がり、疲労軽減や燃費改善に繋がります。
- 丁数を減らす(小さくする):加速重視。発進や坂道でのパワー感が増しますが、最高速が落ち、エンジン回転数が高くなります。
- リアスプロケット:
- フロントとは逆で、丁数を増やすと加速重視、丁数を減らすと最高速重視になります。
- フロントとは逆で、丁数を増やすと加速重視、丁数を減らすと最高速重視になります。
多くの場合、フロントスプロケットを1丁増やす(例:14T $\rightarrow$ 15T)カスタムが人気ですが、JA59ではチェーンケースとの干渉がないかなどを確認し、無理のない範囲での調整を心がけましょう。
ボアアップで排気量をアップする際の注意点
スーパー カブ 110 ボアアップは、カブの非力さを解消し、走りを根本から変える究極のパワー アップカスタムです。しかし、これを行うと法的な手続きが必須となります。
1. 排気量による免許区分と登録の変更
最も重要な点は、ボアアップ後の排気量によって、車両の登録区分が変わるということです。
- 125cc以下(例:117ccなど): 原付二種(黄色またはピンクナンバー)のままです。
- 手続き:市町村役場への排気量変更申請とナンバープレート交換。
- 免許:小型限定普通二輪免許以上で運転可能。
- 125cc超(例:130ccや181ccなど): 軽二輪(250cc以下、白ナンバー)としての登録が必要になります。
- 手続き:運輸支局での構造変更申請。非常に煩雑です。
- 免許:普通自動二輪免許以上が必要。小型限定普通二輪免許では運転できません。
2. エンジン耐久性と保険
排気量だけでなく、ボアアップに見合ったクラッチやオイルポンプ、オイルクーラーなどの補強も同時に行わなければ、エンジンの耐久性を著しく損ないます。また、保険(特に自賠責保険や任意保険)の排気量区分の変更手続きも忘れずに行ってください。
積載性と快適性を向上させる実用カスタム
カブの真価は、その実用性にあります。ツーリングやキャンプ、日常の買い物まで、あらゆるシーンでの快適性と積載性を高めるカスタムを紹介します。
ツーリング・キャンプに必須のキャリアとボックス
カブのカスタムで実用性を高めるなら、キャリアとボックスは最優先事項です。
リアキャリアとボックス
純正のリアキャリアも優秀ですが、さらなる積載を求めるなら、より大型のキャリアや、ボックスのベースとなる頑丈なキャリアが必要です。
- スーパー カブ 110 リア ボックス:
- 通勤・日常利用なら30L程度、スーパー カブ 110 キャンプや長距離ツーリングなら40L以上の大容量ボックスがおすすめです。GIVI、SHAD、アイリスオーヤマのRV BOXなどが人気です。
- 通勤・日常利用なら30L程度、スーパー カブ 110 キャンプや長距離ツーリングなら40L以上の大容量ボックスがおすすめです。GIVI、SHAD、アイリスオーヤマのRV BOXなどが人気です。
- スーパー カブ 110 スライド キャリア:
- シートの代わりに荷台部分をスライドさせることで、シート下へのアクセスを容易にするキャリアもあります。荷物を載せたまま給油などがしやすくなり、利便性が向上します。
- シートの代わりに荷台部分をスライドさせることで、シート下へのアクセスを容易にするキャリアもあります。荷物を載せたまま給油などがしやすくなり、利便性が向上します。
- 適合注意: JA59とJA44ではリアキャリアの取り付け位置や形状が大きく異なります。特にリアボックスのベースとなるキャリアは、必ずご自身の型式に合ったものを選んでください。
ハンドル・スクリーン交換で疲労軽減
長時間のライディングにおける疲労は、ハンドルやウインド シールド(風防)のカスタムで劇的に軽減できます。
- スーパー カブ 110 ハンドル:
- 純正のハンドルはアップライトなポジションですが、社外品のハンドルに変えることで、ポジションを調整できます。長距離走行が多い方は、手首の角度が楽になるハンドルバーに変えるだけで快適性が向上します。
- 純正のハンドルはアップライトなポジションですが、社外品のハンドルに変えることで、ポジションを調整できます。長距離走行が多い方は、手首の角度が楽になるハンドルバーに変えるだけで快適性が向上します。
- スーパー カブ 110 ウインド シールド(風防):
- 走行風を体や顔に受け続けることは、長距離での疲労の大きな原因です。ウインド シールド(ロングスクリーン)を装着することで、風圧を大幅に軽減し、雨天時の濡れも防げます。
- JA44のレトロな雰囲気を崩したくない場合は、旭風防のようなクラシックなデザインの大型風防がおすすめです。
電装系カスタム:USB電源とスマホホルダーの取り付け
現代のツーリングに欠かせないのが、スマートフォンを活用するための環境整備です。
- スーパー カブ 110 usb 電源:
- 配線は、キーONで通電するアクセサリー電源から分岐させるのが一般的ですが、JA59やJA44では、純正のサービスカプラーから簡単に電源を取り出せる専用のハーネスキットが販売されています。これを使えば、配線加工の難易度が大きく下がります。
- 電源はハンドル周辺やレッグシールド内など、雨に濡れにくい場所を選び、防水性の高い製品を選びましょう。
スーパーカブ110スタンダード(JA10モデル)とスーパーカブ50スタンダード(AA04モデル)は上記の製品は不可なのでこちらの製品で電源をとれます
シート・足つきカスタムで乗り心地を追求
見た目の印象と乗り心地を両立させるのがシートのカスタムです。カブのシートは、カスタムの幅が広く、オーナーの個性を表現しやすい部分でもあります。
純正・社外品のダブルシート、ロングシートの比較
カブのシートカスタムは、「純正スタイルを維持するか」「2人乗りや積載性を向上させるか」で大きく分かれます。
- スーパー カブ 110 ダブル シート:
- タンデム(2人乗り)を前提としたシートです。タンデムステップの取り付けも必須ですが、友人や家族とカブの楽しさを共有できるようになります。
- クラシカルな雰囲気を高めるタックロール(波縫い)デザインの製品が人気です。
- スーパー カブ 110 ロング シート:
- 一人乗りですが、シートの前後長が長く、ライディングポジションの自由度が増します。長距離走行時に座る位置を微妙に変えることができるため、疲労軽減効果も期待できます。
- 一人乗りですが、シートの前後長が長く、ライディングポジションの自由度が増します。長距離走行時に座る位置を微妙に変えることができるため、疲労軽減効果も期待できます。
- カスタムシートの選び方:
- 純正シートは硬めですが耐久性に優れます。社外品はウレタンの厚さや形状を工夫し、長時間の乗り心地を改善しているものが多くあります。ご自身の体型や走行距離に合わせて選びましょう。
ローダウン化で足つき性を改善
「もう少し足つき性を良くしたい」というオーナーのために、スーパー カブ 110 ローダウンカスタムがあります。
- ローダウンサスペンション:
- リアショックの長さを短くすることで、車高を下げます。ローダウンサスは乗り心地が硬くなる傾向があるため、長さだけでなくプリロード(初期荷重)や減衰力の調整ができる製品を選ぶと良いでしょう。
- リアショックの長さを短くすることで、車高を下げます。ローダウンサスは乗り心地が硬くなる傾向があるため、長さだけでなくプリロード(初期荷重)や減衰力の調整ができる製品を選ぶと良いでしょう。
- 注意点:
- ローダウンしすぎると、カーブでのバンク角が減り、センタースタンドやマフラーが路面に干渉するリスクが高まります。また、カスタムシートとの組み合わせで、より快適な足つきを目指すのが理想的です。
まとめ:あなたのカブ愛を形にするカスタムライフへ
スーパーカブ110のカスタムは奥が深く、パーツ一つ一つに個性とストーリーが宿ります。JA59、JA44といった型式による適合性の違いに注意を払い、マフラーであればJMCA認証、ボアアップであれば法的な登録変更と免許区分を正確に理解して取り組むことが、安全で楽しいカスタムライフの絶対条件です。
今日ご紹介したキャリア、ボックス、シート、そしてUSB電源などの実用パーツから、モリワキやヨシムラといったメーカーの高性能パーツまで、あなたのスーパーカブ110を、毎日を共にする最高の相棒へと育て上げてください。
カスタムは、知識と愛情を注いだ分だけ、必ず愛車に返ってきます。さあ、安全に、楽しく、あなただけのスーパーカブ110を完成させましょう!
本記事の作成に際して参考にした情報源
- マフラーメーカー公式: モリワキエンジニアリング スーパーカブ110専用マフラー製品情報
- カスタムパーツ老舗: SP武川 カブ110/JA59・JA44ボアアップキット及び駆動系パーツ


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